神奈川の川崎市内でインフルエンザなどの感染症が流行すると、「学級閉鎖の基準は何人からなのか」「どのタイミングで休校になるのか」が気になる保護者の方は多いと思います。
一方で、学級閉鎖や休校のルールは「学校保健安全法」や川崎市教育委員会の方針に基づいて決められており、個人の判断だけでは分かりにくい部分も少なくありません。
この記事では、川崎市の公表情報や学校保健安全法などの公的情報をもとに、川崎市における学級閉鎖の基本的な考え方、インフルエンザ時の判断目安、出席停止期間、休校の流れをできるだけ分かりやすく整理します。
最新の具体的な対応は必ず在籍校や川崎市教育委員会からの案内を優先しつつ、その内容を読み解くための「全体像のガイド」として参考にしてください。
川崎市の学級閉鎖と休校の基本ルール
まずは、川崎市の市立学校で学級閉鎖や休校を行う際の「基本的な考え方」から整理していきます。
大枠としては、全国一律で定められている学校保健安全法のルールをベースに、川崎市教育委員会や各学校が具体的な運用基準を定めているイメージです。
学校保健安全法と川崎市の位置づけ
学級閉鎖や休校は、まず国の「学校保健安全法」とその施行規則により、児童生徒が感染症にかかった場合の出席停止期間や、学校を臨時休業できる仕組みが定められています。
学校保健安全法施行規則第十九条では、インフルエンザなどの感染症ごとに出席停止期間の基準が示されています。
インフルエンザの場合は「発症した後五日を経過し、かつ解熱した後二日(幼児は三日)を経過するまで」とされています。
また、同じ法律の中で、学校の設置者(川崎市の場合は市)が、感染症の予防上必要があると判断したときに学校の全部または一部を臨時休業(学級閉鎖・学年閉鎖・学校閉鎖など)できることも定められています。
| 項目 | 内容の概要 |
|---|---|
| 根拠となる法律 | 学校保健安全法および学校保健安全法施行規則 |
| 出席停止の対象 | インフルエンザなど「学校感染症」に指定された病気 |
| 出席停止期間の基準 | 感染症の種類ごとに国が基準を定めている |
| 臨時休業(休校)の権限 | 学校設置者(自治体)が必要に応じて学校の全部または一部を休業できる |
川崎市の市立学校も、この学校保健安全法の枠組みの中で、川崎市教育委員会や各学校が具体的な基準や運用方法を定め、学級閉鎖や休校の判断を行っています。
学級閉鎖・学年閉鎖・学校閉鎖の違い
ニュースや学校からの連絡文などで「学級閉鎖」「学年閉鎖」「学校閉鎖」という言葉が出てきますが、それぞれ意味が異なります。
川崎市内の小学校が公表している説明をもとに整理すると、主に次のようなイメージで使われています。
| 区分 | 対象範囲 | 想定される状況 |
|---|---|---|
| 学級閉鎖 | 特定の一つの学級のみ | 同じクラス内でインフルエンザなどの発症者がまとまって増えた場合 |
| 学年閉鎖 | 同じ学年の複数クラス | 同じ学年で複数のクラスが学級閉鎖レベルの状況になった場合 |
| 学校閉鎖(休校) | 学校全体 | 複数学年にわたり多数の発症者が出ている場合や、非常に強い流行がみられる場合 |
どの段階の「閉鎖」を行うかは、欠席状況や健康観察の結果などをもとに、学校と教育委員会が総合的に判断します。
インフルエンザが一つのクラスで多く出ている段階では学級閉鎖、複数学年に広がっている場合は学年閉鎖や学校閉鎖を検討するといったイメージです。
川崎市の「臨時休業情報」の公表について
川崎市では、感染症の集団発生などにより市立学校が臨時休業(学級閉鎖・学年閉鎖・学校閉鎖など)を行った場合、「感染症による川崎市立学校の臨時休業情報」として市のホームページで公表しています。
毎月の臨時休業状況がPDFファイルでまとめられており、どの学校で何年何組が、いつからいつまで学級閉鎖になったのかといった情報が一覧できるようになっています。
また、インフルエンザシーズンに入ると、川崎市健康福祉局感染症対策課から「今シーズン初めてのインフルエンザによる学級閉鎖」の報道発表が行われることもあり、市全体としての流行状況を把握することにも役立ちます。
自分の子どもの学校以外の状況も含めて、市全体の流行状況を知りたい場合は、川崎市の公式サイトの臨時休業情報を確認するのがおすすめです。
川崎市の学級閉鎖の基準とインフルエンザ時の目安
続いて、多くの保護者の方が一番気になる「具体的に何人休むと学級閉鎖になるのか」という基準について整理します。
あわせて、インフルエンザにかかった児童生徒一人ひとりの出席停止期間の目安も紹介します。
川崎市における「学級閉鎖の目安」
川崎市教育委員会の学校サイトの一つでは、「臨時休業や学級閉鎖はどんな時になりますか?」という説明の中で、学級閉鎖の目安を次のように示しています。
| 区分 | 検討のきっかけとなる目安 |
|---|---|
| 学級閉鎖 | 一つの学級でインフルエンザなど同一の感染症による発症者がクラスの20パーセントを超えた場合に学級閉鎖を検討する |
| 学年閉鎖 | 同じ学年で複数の学級が学級閉鎖となり、学年全体として多数の発症者が認められる場合に検討する |
| 学校閉鎖 | 複数学年にわたって学級閉鎖が続き、学校全体で多数の発症者が認められる場合に検討する |
ここでポイントになるのは、「20パーセントを超えたら自動的に学級閉鎖」ではなく、「20パーセントを超えた段階で学級閉鎖を検討する」という運用になっていることです。
実際には、発症者の推移、学級内での広がり方、学年全体の状況などを踏まえ、学校と教育委員会が相談しながら決定する形になります。
したがって、「クラスの何人かがインフルエンザになったから、明日すぐ学級閉鎖になる」とは限らない点には注意が必要です。
学級閉鎖になるときの具体的なイメージ
「20パーセント」と言われてもピンとこない場合のために、クラス人数別にざっくりとした目安を表にすると、次のようなイメージになります。
| クラス人数 | 20パーセントに相当する人数 | 学級閉鎖検討の目安 |
|---|---|---|
| 30人 | 6人 | 同じ感染症による発症者が6人を超えたあたりで学級閉鎖を検討 |
| 35人 | 7人 | 7人以上が同じ感染症で欠席した場合に検討 |
| 40人 | 8人 | 8人以上で検討開始といったイメージ |
あくまで「検討のきっかけ」としての目安であり、実際の運用は学校や学年、流行のスピードによって異なります。
クラス内で急激に発症者が増えている場合には、人数が20パーセントに満たなくても早めに学級閉鎖を行うこともありますし、発症者数が頭打ちになっている場合などは様子を見るケースも考えられます。
インフルエンザにかかった児童生徒の出席停止期間の基準
学級閉鎖の有無とは別に、インフルエンザにかかった児童生徒一人ひとりについては、学校保健安全法施行規則で出席停止期間の基準が定められています。
厚生労働省や文部科学省が示している基準を整理すると、インフルエンザにおける出席停止の期間は次のようになります。
| 対象 | 出席停止の期間の基準 |
|---|---|
| 小学生以上 | 「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日」を経過するまで |
| 幼児 | 「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後3日」を経過するまで |
ここでいう「発症日」は医療機関を受診した日ではなく、発熱などインフルエンザの症状が出た日とされています。
また、「解熱」は解熱剤を使わずに平熱に戻った状態を指し、解熱した当日を0日目として数えます。
この基準は全国共通ですが、実際にいつ登校を再開できるかは、学校や自治体の通知、医師の意見なども含めて判断されるため、必ず在籍校から配布されるプリントや連絡帳の指示に従うようにしてください。
休校・学級閉鎖が決まるまでの流れ
次に、実際に「学級閉鎖」「学年閉鎖」「学校閉鎖」を決めるとき、学校や教育委員会がどのような手順で判断しているのかを整理します。
保護者としても、この流れを理解しておくと、学校から届くプリントやメールの意味をスムーズに理解しやすくなります。
1. 欠席状況や健康観察の集計
川崎市の市立学校では、毎朝「健康観察カード」や欠席・早退の情報をもとに、インフルエンザを含む感染症の状況を学校全体で把握しています。
- インフルエンザ様症状での欠席人数
- 病院から「インフルエンザ」と診断された人数
- 同じ学級内での感染の広がり具合
これらの状況は毎日集計され、担任・養護教諭・学校管理職が共有します。
2. 学校と教育委員会で協議
ある学級で欠席者が増えてきた場合、学校は川崎市教育委員会の担当部署へ状況を報告します。
そのうえで、以下を踏まえて「学級閉鎖の必要性」を検討します。
- クラスの欠席率の推移(20%を超えたか)
- 他学級や学年全体への広がり
- 保健所や教育委員会が把握する地域の流行状況
最終的には、学校と教育委員会の判断で学級閉鎖や学年閉鎖などの方針が決まります。
3. 学級閉鎖が決まった場合の通知
学級閉鎖が決まった場合、学校から保護者へ以下のような方法で通知が行われます。
- 学校からのプリント配布
- メール配信システム(すぐーる等)
- 児童への直接の連絡(下校時に口頭で伝えることも)
学級閉鎖が始まる日時、期間、家庭での過ごし方など詳細が案内されます。
| 連絡方法 | 内容 |
|---|---|
| プリント | 閉鎖期間・家庭学習・保健上の注意点が記載される |
| メール配信 | 急ぎの連絡に使われる。臨時休業開始時間など |
| 児童への口頭連絡 | 帰り際にクラス全体へ伝達されることも |
学級閉鎖中の過ごし方と家庭での注意点
学級閉鎖は「感染を広げないための措置」であり、児童が体調不良でなくても外出を控えることが求められます。
川崎市内の学校でも、学級閉鎖の案内には必ず「原則外出を控える」旨が記載されます。
学級閉鎖中の基本的な注意点
学級閉鎖中、学校が推奨している代表的な家庭でのルールは次の通りです。
| 注意点 | 理由・説明 |
|---|---|
| 外出を控える | 感染拡大を防ぎ、健康観察をしやすくするため |
| 人混みへの外出を避ける | インフルエンザのさらなる感染リスクを下げる |
| 家庭内でも体調チェックを継続 | 発熱・咳・倦怠感が出たら医療機関へ相談 |
| 学校の課題に取り組む | 学習の遅れを最小限にするため |
学級閉鎖中は休暇ではなく、学校としての「臨時休業扱い」です。子どもが元気でも遊びに出かけてしまうと、別の場所で感染が広がる原因にもなります。
家庭での健康観察のポイント
川崎市の学校では、閉鎖期間中も毎日の健康チェックを求めています。ポイントは以下の通りです。
- 毎朝の検温と体調確認
- のどの痛みや咳の有無
- 家族に体調不良者がいないか
症状が悪化した場合は、速やかに医療機関へ相談することが推奨されています。
登校再開のタイミング
学級閉鎖が予定より早く解除されるケースは基本的にありません。通常は「案内された解除日」の翌日から登校再開となります。
ただし、子ども本人がインフルエンザなど感染症にかかった場合は、学級閉鎖が解除されても「出席停止期間」が優先されます。
学校により、登校再開時に「治癒証明書」や「登校許可書」が必要な場合がありますので、必ず学校からの案内を確認しましょう。
川崎市で特に注意すべき感染症と「出席停止」になる病気
学級閉鎖は「クラス単位」での対応ですが、子ども個人が感染した場合は、病名ごとに定められた「出席停止期間」が適用されます。これは学級閉鎖とは別に法律(学校保健安全法)で定められています。
ここでは、川崎市内の学校でも特に多い「出席停止」になる感染症と、登校再開の基準をまとめます。
出席停止になる主な感染症一覧(川崎市の学校で案内されている基準)
| 病名 | 登校の目安 |
|---|---|
| インフルエンザ | 発症後5日、かつ解熱後2日を経過するまで |
| 新型コロナウイルス感染症 | 発症翌日から5日間は出席停止、かつ症状が軽快するまで |
| 溶連菌感染症 | 抗生物質を飲んで24時間以上経過し、症状改善後 |
| 感染性胃腸炎(ノロ・ロタなど) | 下痢・嘔吐症状が消失し、通常の食事ができるまで |
| 水ぼうそう | すべての発疹がかさぶたになるまで |
| 麻しん(はしか) | 解熱した後3日を経過するまで |
これらは国の基準に基づいており、川崎市の学校でも共通して適用されています。
出席停止の場合の提出書類
川崎市の学校では、感染症から回復して登校する際に「登校届」や「登校許可証」が必要になることがあります。
- 学校指定の「登校届(保護者記入)」
- 医療機関が発行する「治癒証明書」
学校によって必要書類が異なるため、個別の案内に従って準備してください。
家庭内で感染を広げないための予防策
川崎市の学校・保健所が推奨する、家庭でできる感染防止策は以下の通りです。
- 家庭内でもマスク着用(発症者がいる場合)
- こまめな手洗い・うがいを徹底
- 共有タオルではなくペーパータオルを使用
- ドアノブ・スイッチなどの共用部分の消毒
- 部屋は可能な限りこまめに換気
特に兄弟姉妹間での感染拡大が多いため、発症した子の隔離や食器の分離が効果的です。
川崎市の学級閉鎖に関するよくある質問(FAQ)
最後に、保護者からよく寄せられる質問をまとめました。初めて学級閉鎖を経験する家庭にもわかりやすいよう、実際の学校対応に基づいて説明します。
Q1. 「欠席20%」は何人から学級閉鎖になる?
例:40人学級の場合、8人が目安です。ただし、感染のスピードや症状の重さで判断が変わり、人数が少なくても閉鎖になることがあります。
Q2. 兄弟姉妹は学校に行っていいの?
学級閉鎖は「クラス単位」のため、兄弟姉妹の登校は禁止ではありません。
ただし、家庭内で体調不良者がいる場合は登校を控えることが推奨される場合があります。
Q3. 学級閉鎖中でも外出していいの?
原則として外出は控える必要があります。遊びや買い物は不可で、通院等のやむを得ない場合のみ認められます。
Q4. 学級閉鎖中の宿題はある?
多くの学校で、プリントやオンライン教材での家庭学習が課されます。学校によってはGoogle Classroomなどオンライン課題が配布されることもあります。
Q5. 学級閉鎖は何日続くの?
川崎市で一般的な期間は「3〜4日」です。症状の広がりが大きい場合のみ、1週間前後に延長されることがあります。
川崎市の学級閉鎖は「欠席20%+感染状況」で判断!正しい知識で安心を
川崎市の学級閉鎖は、単純に欠席人数だけでなく、感染拡大のスピード・地域流行の状況・学年全体の傾向など、複数の要素をもとに決定されます。
多くの家庭では「突然の通知」に戸惑いますが、この記事で紹介した基準・判断の流れ・家庭での注意点を知っておくだけで、落ち着いて対応できるようになります。
特にインフルエンザや感染性胃腸炎は毎年のように流行するため、家庭内での予防が最も重要です。
川崎市の学校・教育委員会は最新の状況に応じて迅速に対策を行うため、保護者は学校からのメールやプリントをこまめに確認しておくと安心です。
お子さんの健康と学習を守るためにも、正しい情報をもとに落ち着いて対応していきましょう。
